やっぱりシステムのこと

BOSSのつぶやき 2014年5月

〜 やっぱりシステムのこと 〜

 

大きな銀行のシステム統合とかお国が始める国民に番号を振ることに関するシステムなどの大規模なシステム案件での人集めが始まった。これらが2年から3年の間にカットオーバーを迎える。ということで、システム技術者が大幅に足りなくなるとか。さて、ITバブルの再来で、早速、人探しを始めなきゃ、という動きが活発になっている、というよりもあらかた必要なところが人を集めきった状態になっているだと考えて良い。昨今はマーケットで人を探すのは難しくなってきつつある。しばらくは、一応、IT不況は一段落だし、またぞろ、とりあえずシステムに関わっていれば食える、ということになるだろう。とは言え、そういったものが終わると大量失業時代が来て、オリンピック目当てに集めた外国人労働者と失業したSEが街にあふれてしまう「2020年危機」がやって来るのだよね。

 

とまあ大変な状況になるのだろうが、私は、この話に違和感を覚えるのだ。大きな銀行もお国もシステム技術とかシステム技術者というものを一体どう考えているのだろうか?ということ。ちまたでは「モノ作り」で日本を復活、のような話がある。旧二次産業系の技術で日本がまた(?)世界一になる、というような目標を持って人も会社も育てるのだ、というような感じかな。システムの方は、どうなのか?確かにスマホがどんどん売れて、なにやらゲームやアニメのコンテンツ利用では日本のソフトが世界に求められているようにも思える。だが、スマートフォンとかタブレットとかの個人向けの情報ディバイスの開発やあるいは一人一人がネットワークにつながってしまうような世界のためのシステムのハブ、といったものはどうなっているだろう。リンゴさんとか検索屋さん、相変わらず「窓」を作ってる会社、などが、とにかくトップティアに居座っている。ビッグブルーだって、FとかHとかNとかの頭文字の国産コンピュータ屋さんに比べれば、世界での存在感は大きい。うち程度の会社でやっている基盤の仕事を見ても、仮想化とかクラウドとかいうような名前が出てくる案件では、FとかHとかNとかというのはまるでレアものの部品メーカーのようにしか見えないのですよ。おおむね、ハードであれば、HPとかDELLとか言ったあちらのメーカーの名前になるし、ソフトもちょっと新しいと何やら英語で調べ物をしないと分からなかったりする。まあ、こういう状況だから「モノ作り」でがんばろうってことだろうが、待てよ、と。これからのモノ作りは、きっとソフトウエア(まあ、世の中風に言えばIT)が活躍するのだよ。それだって、3Dプリンターでピストルを造るにしても結局海外のサイトから図面を落としてくるような状況で、我が国の企業の知名度はいかがなものだろうか。と考えて来ると、果たしてこの数年間、かなりの数の(きっと)優秀なシステム技術に長けた方々が、一私企業のシステム統合とかお国のためとは言いながらどうせデスマーチになるに決まっている(失礼しました、まあ、そうでないことをお祈りします)番号案件とかに入ってしまっていいのかな、と思うのである。そして、これだとやっぱり終わると失業なんですよね。これが私の違和感の正体なのですよ。

 

所詮、ごまめの歯ぎしり、蟷螂の斧、なので、結局、こんなブログもどきで鬱憤をはらす事にする訳だが、とにかくひと言書いてみよう。

 

これからの世の中は、とにかく、生活している人たちのほとんど全員がなんらかのネットワーク接続デバイスを持つ、という前提で物事を考えても良いという時代にはなるだろう。アメリカの調査でも、格差が広がる中にあっても貧困層と言えどもiPhoneは持ってる、ということだし、我が国でもどんなに貧しくても生活していくためには携帯電話くらいは持たなきゃ、というのは常識化している。なので、もはやデジタルデバイドがどうのとか言う事ではなく、逆にいつでもどこでも思った通りにネットワーク経由で必要な情報を得たり、出したりできるように安価にかつ安全な基盤を提供することは絶対に必要だ。なので、これは国として、憲法25条にある義務を果たす為にも投資が必要な分野になる。製造コストの安い、そして使い勝手の良い個人向けデバイスの開発、リンゴマークも含めて世の中に出回っているデバイスもカバーできる安全な接続方式や認証方式の開発、必須機能をカバーするユニバーサルなアイコンや操作方法など、投資すれば、世界に売れる商品や標準となるものも多い。そもそも、なんとか番号は国民全員に関係するインフラなのだからバックのセンターを作ることも然り乍ら、その前に国民一人一人がいつもでどこでもネットワークに安全に接続でき、かつ利用できるような仕組みを作るべきなのだ。サービスのセンターから作るではなく、まずは、利用者側の環境を整える事が最初にあって、標準化された接続環境を利用者全員が持っていることを前提とすれば、利用時のユースケースもより洗練され、センター側システムも少しは軽くなると思うのだ。これは私がすでに20年近く前に経験した事だ。それに、個人の番号管理も安っぽいICカードとかでなくそれなりの個人用デバイスを前提とすれば、もっと、応用範囲も広げられるのだよ。

 

さて 銀行さんの方だって、国策で合併させた(違ってたらごめんなさい)銀行なんだから、そういう銀行が困っているのをもう少し国の方でも考えてあげたら、とも思う。「今度は失敗するなよ」という一声を掛けるだけではなく、もう一歩、策を進めて銀行の仕事自体がより簡便になるような規制などの見直しをしてあげたらいかがかと。まあ、個別事情は存じ上げませんが、もともと法人取引がメインの銀行とリテールをやってる大銀行に加え信託業務も兼業している銀行のシステムを統合するということと聞く。なんとなくだけど、それぞれ違う顧客層に違うサービスや商品を提供していると思うのだが、このまったく別会社みたいな3行の業務システムを統合してお客さまや銀行で働いている優秀なバンカーの方たちに何か良い事があるのだろうか?勘定系を会計システムととらえれば、まあ、それくらいは統合する意味があるかもしれないが、それって共同センターみたいなもんで実現できると思う。ATMなどはコンビニさんがとても一銀行では実現できないようなネットワークですでに統合を実現している。このような自動化サービスはそれに特化したオペレーションにするとか、というような進め方をして、まずはビジネスの流れを変えても良い。その為にATM専業の免許を発行したらきっと何か新しい事業は生み出せる。そうすれば、システムをもっと使い易くて効率的なものに変えていける。またリテール業務では、スマートフォンなどの個人が持つようなデバイスにそれなりの情報を安全に取り扱えてかつ使い勝手を損なわないような仕組みをもっと真剣に開発すれば、窓口の業務ももっと効率化できそうだ。そういうことに技術を使うなら、作った結果、失業者が増えるのではなく、世界を席巻するようなソフトウエアが出来るのだが。FさんHさんビッグブルーさんの優秀な技術者を食いつぶすのを止めるような策を先に考えませんか、ねえ。

 

ということで、例えば、この二つに掛けるお金の幾分(いくばく)かで何かこの先の我が国や人類のために役立つソフトウエアを作るプロジェクトを立ち上げた方が良いのでは、と思う次第である。まあ、どうなるのかは分からないけど、番号の話は、とってもガラパゴスっぽそうだし、銀行の方は記事によれば、SOAを使ってソフトを作るとかで、何か新しげなことをやりそうにはない感じに思えるのである。なんか「もったいない」のです。真珠湾後の戦艦大和みたいなものを作ってるならやっぱり潜水艦とか航空母艦とかパラダイムチェンジを先取りしたものを作るべきではないだろうか。歴史そのものは繰り返さないけど、人間は間違えを繰りかえすのだ。もっと、世の中の変化に対応した新しい技術の応用に挑むべきだと考える。

 

まあ以上は、所詮、うちの会社はこの二つからはあまり恩恵を受けそうにないので、やっかみ、です。ハイ。ごめんなさい。


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