株式会社アイシーアイ

企業改革

 ミスミグループ本社シニアチェアマン三枝匡氏は日本で初めてターンアラウンド・スペシャリストとして、赤字企業の再生を職業とした人である。
 1980年代に赤字ベンチャー企業を次々と立ち直らせてきたが、東京証券取引所1部上場企業の再生を任されて、初めて失敗した。

 得意のベンチャー企業再生と何が違ったか。

 病気を抱えた大企業は簡単に倒れるものではなく、ピントのずれた経営者でも何とか10年以上生き延びるが、徐々に企業は衰退し、最後に死の谷に落ちるという。バブルのはじけた1990年代初めから、シャープ、ダイエー、日本航空、日産自動車などが次々に経営に行き詰った。

 これらの会社に共通する問題は、企業の病気の進み方がスローで幹部が業績後退に慣れっこになり、抜本的な改革を先延ばしにしたことが、行き詰まりの原因という。

 三枝氏が再生に失敗した会社も、ひどい業績なのに社員の危機感が驚くほど低かったことと、このような会社の共通する特徴として社内の「政治性」の蔓延であった。
 元気な会社なら「正しい、正しくない」という青臭い正論を戦わせるが、「政治性」の強い会社は裏口で出入りする。夜は必ず誰かをやり玉にあげて、グチと陰口をさかなにして飲む。陰で社内を動かそうとするため、よみがえるためのリスク戦略をまとめて実行に移すことなどできない。

 三枝氏がこの企業の再生に失敗した理由は、よどんだ企業の再生には、社員の危機感を持たせる新しい「組織論」が必要だったこと。また、改革を殺す「社内政治」に対抗するには、改革者は「論理性」を武器にした「腕力」を磨かなければならなかったと言う。

 おそらく、大企業のみならず多くの低迷する企業に当てはまる要点であろう。

 さて、ICIも10年を経て、そろそろ企業改革の必要がありそうである。そのため竹内伸氏の社長再登場で、次の10年のICIの改革をゆだねることになった。

 小生のブログも今回で最終回となる。4年に亘ってご購読ありがとうございました。
 引き続き顧問としてICIを見守ってまいりますので、よろしくお願いいたします。