VISION
VISIONとは、見えるものだ。
私たちのVISIONは、見えるものであるべきだ。
“どこでもドア”の発見
遠い未来の話ではなく、数年先に見えているもの、のことを話そうと思う。
コミュニケーションが大きく変化したのは、なんと言っても携帯電話の登場にはじまるだろう。いつでもどこでも必要な時にコミュニケーションが可能になった。ある意味、時間の概念が変わったと言ってもよい。声だけだが「どこでもドア」のごとく世界中のどこへでも旅することができるようになった。さらに、変化が進みi-モードが登場し、携帯電話とインターネットがつながり、写真や文字を世界中に届けることが始まり、時代をリードしていた。それは20年以上昔の出来事だが。
さらに変化は加速し、10年を待たずにiPhoneが登場した!2020年代、スマートフォンはコミュニケーションツールの主流となった。このiPhone、スマートフォンの登場は、グラハム・ベルには悪いが、電話の発明の比ではない、と言っても言い過ぎではない。もしかしたら、i-モードがそうなっていたかもしれないのだが、なぜi-モードではなく、iPhoneだったのか、という議論をしたい訳ではないので、その話はどうでも良いし、今やi-モードサービスを止めた会社もiPhoneを売っているのである。iPhoneを考えた時、AppleとジョブスにはきっとVISIONがあった!i-モードにVISIONが無かったとは言えない、きっと有ったに違いないのだ。
i-モード、iPhoneに共通しているのは、その時、あるVISONを見たのは、少数の「心ある人」だけであったことだ。世の中が今欲しがっている何かではなく、まったく違ったこれまでに無いコミュニケーション手段を見たのである。VISIONとはそういうものだ。
次の未来を創造しよう
ICIのVISIONは、なんだろうか。私に何が見えるのだろうか。君には、君たちには何が見えるか。イノベータとしてコミュニケーションを改革するというVISIONはそこに見えるか?
コミュニケーションは、情報である。ただしく言えば「情報の伝達」だ。私に見えるVISIONは、「時」だ。コミュニケーションから「意味」が生まれるまでの時間の問題だ。難しい話では無い。分かりづらい情報から意味を汲み取るのは時間がかかるし、早く情報を伝えようとしているあまり分かりづらい情報を送ってしまうことがあると言っている。情報は伝わればそれで良いわけではないし、早く伝わった方が良いわけでもない。
現状、特にインターネットを利用した情報の伝達は、送り手の時間を効率化する手段を豊富に持つが、受け手の「都合」には配慮しないといったこととか、逆に受け手の「都合」を変化させてしまうような「誘惑」には不足がない。
相手の話を正しく聞き取り、本当の要望を理解することは、現代の技術でも、まだ実現できていない。i-モードもiPhoneも「創造者」が最初に見たVISIONは違っていたのではないか。だからと言ってAIでコミュニケーションを制御するようなVISIONは見たくない。
人が輝き続ける世界
ICIの理念では、ITは人を輝かせるためのものだと言っている。では、人が輝くVISIONを見ようじゃないか。
20年前、15年前には「夢」だったものが今はVISIONになった。i-モードに無かったものも、最初のiPhoneに無かったものも、今はある。ICIの創業の時にも具体的に見られなかったものも、今はあるのだよ。人に輝きをもたらすようなコミュニケーションを実現できるというVISIONが見える。
私が見るVISIONは単なる製品、サービスではなく、情報の送り手、受け手、コミュニケーションを仲介する人たち、をお互い近づける「システム」なのだ。そして、そのシステムは自律的に進化していくのだが、それはソフトウエアとかAIとかではなく、送り手、受け手、仲介者がお互いにコミュニケーションしながら実現していくというVISIONなのだ。
まず、その一歩が「ITキャッチャー」であるという訳だ。
代表取締役社長
竹内 伸